丸山歯科新聞2015夏

丸山歯科新聞

日本臨床歯周病学会
第三十三回学術大会へ参加

 七月一八日から二十日まで、先生はじめスタッフ全員で、日本臨床歯周病学会へ参加してきました。

 日本臨床歯周病学会は、臨床(日々の診療)に深く関わる内容で講演会が開かれます。今回のテーマは《みちのくぺリオ~再生への道》。歯周病は、完全治癒がなく、現状を維持させることが重要で、検診時に、小さな変化も見逃さない目を養う必要があります。担当を受け持つに際し、注意すべきポイントや、果たすべき事を明確にしておかないと、良好な結果は得られません。日々の診療魂に楔をうたれる実のある二日間でした。

 今大会の会場は、東北・仙台で開かれまました。震災から四年が経ち、市内には震災の面影は見られませんでしたが、少し足を

延ばすと、仮設住宅や、整備途中の街並みがみられ、復興の現実が目の前に広がっていたのも心に響きました。

集合写真
歯科雑誌を読む勉強会より
小学生時期の噛み合わせ

 乳歯から永久歯に生え変わる学童期(六歳~十二歳)は、乳歯の奥に噛み合わせの要となる第一大臼歯が生えることもあり、歯並びや噛み合わせの問題が、表面に現れてきます。これは、『不正咬合』と呼ばれ、七種類に分類されます。

反対咬合(はんたいこうごう)

上下の前歯の関係。下の前歯が連続して3本以上、上前歯より前に出ている状態。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上の前歯が、かなり前方に突出。

過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が、下の前歯に深く覆いかぶさっている。

開咬(かいこう)

上下前歯の連続した数本が、垂直的に開いている。

交叉咬合(こうさこうごう)

脇の下の歯が、上より頬側に出る。

鋏状咬合(はさみじょうこうごう)

脇の上の歯が、下の歯と噛み合わない程頬側に出ている。

叢生(そうせい)

前歯において、複数の歯が重なり合う様に密集している。

指しゃぶりや、頬づえ、日常での姿勢も、歯並びに影響を及ぼしてしまいます。

子供の歯が抜けたら?

 人は、小学校に入学する前後から、中学生の間に、乳歯が永久歯に一度だけ生えかわります。日本では、抜けた乳歯は下の歯は屋根を、上の歯は縁側をめがけて投げると、立派な永久歯が生えてくると、言われています。これには、永久歯が、真っ直ぐに生えるようにとの思いが込められており、アジアの各地に伝わる言い伝えです。

 一方、欧米では、抜けた乳歯を枕の下に置いて寝ると、寝ている間に妖精や、ネズミやウサギが、お菓子やコインなどプレゼントと交換してくれます。妖精や動物達は、魔法の国からのお使いで、朝起きると子供達はプレゼントに大喜びします。

 珍しい言い伝えとしては、ネズミの巣穴に抜けた乳歯を投げ入れ、丈夫な歯をもらえるように願ったり、中近東では、太陽にむかって投げ、新しい歯をくださいとお願いしたり、子供が将来なりたい職業の場所に行き、抜けた乳歯に願いを託して埋めてくるという地域もあります。南米の地域では、乳歯に装飾を施して、首飾りや耳飾りにしたりもします。

 どの地域も、願う方法は異なりながら、永久歯が立派に生えてきますようにと願う思いは同じようです。

(一〇号担当椙山)